菊花賞 G1 過去データと傾向
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菊花賞の調教分析・全頭評価を公開中
過去10年結果
※2021年・2022年は京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝3000mで施行されました。結果は10年分すべてを掲載していますが、下の「データ分析」の集計はコース形態が異なるため京都開催の8回(のべ143頭)に絞っています。
| 年 | 1着馬 | 人気 | 枠番 | 2着馬 | 人気 | 枠番 | 3着馬 | 人気 | 枠番 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | サトノダイヤモンド | 1番人気 | 2枠 | レインボーライン | 9番人気 | 6枠 | エアスピネル | 6番人気 | 7枠 |
| 2017 | キセキ | 1番人気 | 7枠 | クリンチャー | 10番人気 | 2枠 | ポポカテペトル | 13番人気 | 7枠 |
| 2018 | フィエールマン | 7番人気 | 6枠 | エタリオウ | 2番人気 | 5枠 | ユーキャンスマイル | 10番人気 | 4枠 |
| 2019 | ワールドプレミア | 3番人気 | 3枠 | サトノルークス | 8番人気 | 7枠 | ヴェロックス | 1番人気 | 7枠 |
| 2020 | コントレイル | 1番人気 | 2枠 | アリストテレス | 4番人気 | 5枠 | サトノフラッグ | 5番人気 | 5枠 |
| 2021 ※阪神 | タイトルホルダー | 4番人気 | 2枠 | オーソクレース | 3番人気 | 8枠 | ディヴァインラヴ | 6番人気 | 6枠 |
| 2022 ※阪神 | アスクビクターモア | 2番人気 | 7枠 | ボルドグフーシュ | 7番人気 | 2枠 | ジャスティンパレス | 4番人気 | 8枠 |
| 2023 | ドゥレッツァ | 4番人気 | 8枠 | タスティエーラ | 2番人気 | 4枠 | ソールオリエンス | 1番人気 | 7枠 |
| 2024 | アーバンシック | 2番人気 | 7枠 | ヘデントール | 4番人気 | 8枠 | アドマイヤテラ | 7番人気 | 8枠 |
| 2025 | エネルジコ | 1番人気 | 5枠 | エリキング | 2番人気 | 7枠 | エキサイトバイオ | 13番人気 | 7枠 |
データ分析
枠順・脚質(京都開催8回・のべ143頭)
| 項目 | 出走数 | 勝ち | 複勝 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 16 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
| 2枠 | 16 | 2 | 3 | 12.5% | 18.8% |
| 3枠 | 16 | 1 | 1 | 6.2% | 6.2% |
| 4枠 | 16 | 0 | 2 | 0.0% | 12.5% |
| 5枠 | 16 | 1 | 4 | 6.2% | 25.0% |
| 6枠 | 16 | 1 | 2 | 6.2% | 12.5% |
| 7枠 | 23 | 2 | 9 | 8.7% | 39.1% |
| 8枠 | 24 | 1 | 3 | 4.2% | 12.5% |
| 4角 前(先頭25%) | 40 | 4 | 10 | 10.0% | 25.0% |
| 4角 中前 | 41 | 4 | 11 | 9.8% | 26.8% |
| 4角 中後 | 27 | 0 | 2 | 0.0% | 7.4% |
| 4角 後方 | 35 | 0 | 1 | 0.0% | 2.9% |
人気・適性(人気・前走/京都8回・のべ143頭)
| 項目 | 勝利数 | 複勝率 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1番人気(8頭) | 4勝 | 75.0% | キセキ・サトノダイヤモンド・コントレイル・エネルジコ |
| 2番人気(8頭) | 1勝 | 50.0% | 2着が3回。勝ち切るより2着が多い |
| 3番人気(8頭) | 1勝 | 12.5% | 2019年ワールドプレミアの1勝のみ |
| 4〜6番人気(24頭) | 1勝 | 20.8% | 2023年ドゥレッツァ(4番人気)が勝利 |
| 7〜9番人気(24頭) | 1勝 | 16.7% | 2018年フィエールマン(7番人気)が勝利 |
| 10番人気以下(71頭) | 0勝 | 5.6% | 3着内4回。すべて2着・3着 |
| 前走・神戸新聞杯(50頭) | 4勝 | 16.0% | 最多ローテ。8勝中4勝 |
| 前走・セントライト記念(31頭) | 1勝 | 16.1% | 複勝率は神戸新聞杯とほぼ同じ |
| 前走・神戸新聞杯1着(5頭) | 2勝 | 60.0% | トライアル勝ち馬が最も強い |
| 前走・神戸新聞杯4着以下(30頭) | 0勝 | 3.3% | 30頭で3着内1回 |
| 前走・重賞以外(45頭) | 1勝 | 13.3% | 2023年ドゥレッツァ(日本海S)が勝利 |
| 前走1着(54頭) | 4勝 | 22.2% | 8勝の半分 |
| 前走2〜3着(37頭) | 4勝 | 27.0% | 勝率10.8%・複勝率とも最優秀 |
| 前走4〜5着(19頭) | 0勝 | 5.3% | 3着内1回 |
| 前走6〜9着(19頭) | 0勝 | 5.3% | 3着内1回 |
| 前走10着以下(14頭) | 0勝 | 0.0% | 14頭で3着内ゼロ |
| 前走2400m以上(53頭) | 3勝 | 15.1% | 距離延長組と大差はない |
| 前走2000〜2200m(81頭) | 4勝 | 17.3% | 最多。トライアル2戦が該当 |
| 中3〜5週(95頭) | 5勝 | 15.8% | トライアル直行の標準ローテ |
| 中6週以上(43頭) | 3勝 | 20.9% | 間隔を空けた組も走っている |
傾向・レース分析
菊花賞とはどんなレースか
三冠の最終戦。菊花賞は10月下旬に京都競馬場の芝3000mで行われる3歳馬の牡牝限定G1です。皐月賞・日本ダービーに続くクラシック第3戦にあたり、斤量は馬齢で牡馬57kg・牝馬55kg。実績による加増がないため、全馬が同じ条件で3000mに向き合うことになります。トライアルは中山芝2200mのセントライト記念と、阪神(または中京)芝2200mの神戸新聞杯の2つです。
3000mは年に数えるほどしかない距離。JRAの芝3000m以上の重賞は、天皇賞(春)3200m・阪神大賞典3000m・ダイヤモンドステークス3400m・ステイヤーズステークス3600mなど数が限られており、3歳馬にとってはほぼ全頭が未知の距離になります。ここが他のG1と決定的に違う点で、前走までの着順や人気がそのまま通用するとは限りません。
3コーナーの坂を2回越える。京都芝3000mは向正面の半ばからスタートし、外回りコースを1周半します。京都の3コーナーには高低差約4.3mの上り坂と、そこから一気に下る急坂があり、このアップダウンを2度通過するのが特徴です。1周目の坂で無理に位置を取りにいくとスタミナを使い、2周目の下りでペースが上がったときに対応できなくなります。折り合いと脚の配分が、そのまま結果に出る設計です。
直線は404m・平坦。京都の外回りは直線が約404mで、東京ほど長くはないものの、3コーナーからの下り坂で加速してから直線に向くため、見た目以上に長く脚を使わされます。最後の坂がない分、脚が上がった馬でもそのまま粘れてしまうという点も、このあと見る脚質傾向につながっています。
2021年・2022年は阪神で施行された。京都競馬場の改修工事にともない、この2年は阪神芝3000mで行われました。阪神は内回りを使い、最後に急坂があるまったく別の形状です。当ページのデータ分析は京都開催の8回に絞って集計しており、過去10年結果の表にのみ阪神開催の2年を注記付きで掲載しています。
1番人気が4勝・複勝率75%——上位人気は堅い
8頭で4勝。京都開催8回の1番人気は、4勝・3着1回で複勝率75.0%。馬券圏外に消えたのは2回だけです。距離が未知で紛れが起きそうに見えるレースですが、実際には上位人気が順当に走っています。サトノダイヤモンド・キセキ・コントレイル・エネルジコがその4勝で、いずれも世代の中心にいた馬でした。
なぜ堅くなるのか。3000mという距離は、こなせる馬とこなせない馬をはっきり分けます。そのうえで、世代の上位馬は多くの場合スタミナも併せ持っているため、距離が延びても地力の差がそのまま出やすいのです。また出走18頭のうち、本当に勝ち負けできる力を持っているのは例年3〜5頭にとどまり、残りは距離かメンバーのどちらかで見劣ります。この層の薄さが人気の信頼度を押し上げています。
2番人気は2着が3回。8頭で1勝・複勝率50.0%。勝ち切るより2着に収まるケースが目立ちます。一方で3番人気は8頭で1勝・複勝率12.5%と急に数字が落ちます。母数が8頭しかないため傾向として固めるには足りませんが、少なくとも「人気順にきれいに並ぶレースではない」ことは言えます。
7番人気以降は95頭で1勝。複勝率8.4%。1勝は2018年のフィエールマン(7番人気)で、のちに天皇賞(春)を連覇する馬でした。10番人気以下に限ると71頭が走って勝ち馬はゼロ、3着内も4回(複勝率5.6%)です。ただしその4回はすべて2着・3着で、2017年のクリンチャー(10番人気2着)とポポカテペトル(13番人気3着)、2018年のユーキャンスマイル(10番人気3着)、2025年のエキサイトバイオ(13番人気3着)が該当します。
結論は「頭は堅く、ヒモは荒れる」。勝ち馬は6番人気以内から7回出ている一方で、2着・3着には二桁人気が10年で4回入っています。軸を人気馬に置き、相手を広げる組み立てが数字に合います。なお「71頭で0勝」という記録も、1着が人気馬に偏るという意味であって、3着まで含めて切ってよい根拠にはなりません。
7枠が複勝率39.1%・1枠は16頭で3着内ゼロ
外めの枠が強い。京都8回を枠順で分けると、最も成績がよいのは7枠で23頭中9頭が3着以内(複勝率39.1%)。次が5枠の25.0%です。逆に1枠は16頭が走って3着内ゼロ、3枠も16頭で1回(6.2%)にとどまります。馬番で見ても13番より外が複勝率25.5%、1〜6番は8.3%と、はっきり差がついています。
なぜ内枠が苦しいのか。京都芝3000mはスタートしてから最初のコーナーまで距離があり、枠順による位置取りの不利はほとんどありません。それでも内が振るわないのは、3000mという長丁場で内に包まれると、動きたい場面で動けなくなるためと考えられます。1周目の坂、2周目の下り坂と、ペースが動く場面が複数あるこのコースでは、外から被されずに自分のリズムで進められることの価値が大きくなります。
ただし1枠のゼロは16頭の記録。ここは注意が必要です。真の複勝率が10%の層でも、16頭続けて3着を外す確率は約18%あります。「1枠だから消す」という使い方はできません。内枠に入った有力馬は、枠を理由に評価を下げるのではなく、道中で包まれない形を取れるかどうかで判断するのが妥当です。
後方待機はほぼ届かない。4角の通過位置を4分割すると、前25%が複勝率25.0%、中前が26.8%。ここまでは互角ですが、中後が7.4%、後方は35頭で3着内1回(2.9%)と大きく落ちます。前半2つの層が8勝すべてを占めており、4角で後ろ半分にいた62頭からは1頭も勝ち馬が出ていません。
勝ち馬8頭はすべて4角7番手以内。京都8回の勝ち馬の4角通過位置を並べると、2023年ドゥレッツァが2番手、2024年アーバンシックが3番手、2020年コントレイルと2025年エネルジコが4番手、2016年サトノダイヤモンドが5番手、2018年フィエールマンと2019年ワールドプレミアが6番手、2017年キセキが7番手。18頭立てで7番手以内という、きれいに揃った並びです。後ろから届かせて勝った馬は、京都開催の8回では1頭もいません。
理由は直線の短さと平坦さ。京都外回りの直線404mは、3000mを走ってきた馬にとって決して長くありません。しかも最後に坂がないため、前にいる馬が止まりにくい構造です。3コーナーの下りでペースが上がると、後方の馬は差を詰める前に前も加速してしまいます。「4角で前半分にいること」が、このレースで最も分かりやすい好走条件です。実際、1〜3番人気で4角前半分にいた20頭は6勝・複勝率55.0%に達します。
神戸新聞杯4着以下は30頭で3着内1回
トライアルは2つ。京都8回の前走を見ると、最多が神戸新聞杯の50頭(4勝・複勝率16.0%)、次がセントライト記念の31頭(1勝・16.1%)。複勝率はほぼ互角ですが、勝ち馬の数では神戸新聞杯組が4対1と大きく上回っています。8勝のうち半分がこのローテです。
問われるのは「トライアルでの着順」。神戸新聞杯を1着で通過した5頭は2勝・複勝率60.0%、2〜3着だった15頭は2勝・26.7%。ところが4着以下だった30頭は、3着内がわずか1回(3.3%)で勝ち馬はゼロです。セントライト記念も同じ形で、1着5頭が1勝、4着以下13頭は3着内1回にとどまります。「トライアルに出ていたか」ではなく「トライアルで通用していたか」が分かれ目になります。
前走着順はそのまま効く。前走1着の54頭が4勝・複勝率22.2%、前走2〜3着の37頭が4勝・27.0%。この2つで8勝すべてを占めています。一方、前走4着以下だった52頭からは勝ち馬が出ておらず、3着内も2回だけです。とくに前走10着以下の14頭は3着内ゼロ。ここは母数が14頭と小さいため「消す根拠」には足りませんが、軸には据えにくい層といえます。
重賞を使っていない馬も勝てる。前走が重賞以外だった45頭は1勝・複勝率13.3%。この1勝が2023年のドゥレッツァで、3勝クラスの日本海ステークスを勝った勢いでそのまま制しました。格より勢いと距離適性が問われるこのレースらしい結果です。「重賞で足りていないから」という理由だけで切ると、こうした馬を取りこぼします。
前走の距離は関係が薄い。前走2400m以上だった53頭が複勝率15.1%、2000〜2200mだった81頭が17.3%。長い距離を使ってきたことは、このレースでの有利にはなっていません。トライアルの2200mから一気に800m延びることになりますが、それはほぼ全馬が同じ条件です。レース間隔も中3〜5週の95頭が複勝率15.8%、中6週以上の43頭が20.9%で、大きな差はついていません。
総合ポイント
①軸は6番人気以内から選ぶ。京都8回の勝ち馬は、7回までが6番人気以内。1番人気は4勝・複勝率75.0%で、素直に信頼してよい数字が出ています。距離が未知でも、世代上位の地力はそのまま通用しています。
②4角で前半分にいられるか。4角の位置が後ろ半分だった62頭から勝ち馬は出ておらず、複勝率も4.8%。位置を取れる脚質かどうかが、このレースで最も明確な分かれ目です。追い込み一辺倒の馬は、人気を集めていても評価を一段下げる余地があります。
③トライアルでの着順を見る。神戸新聞杯もセントライト記念も、4着以下だった馬は合わせて43頭で3着内2回。使ったレースではなく、そこで通用していたかで判断します。逆にトライアルを勝った馬は、神戸新聞杯5頭で2勝と大きく分が良い形です。
④枠は外めを上位に取る。7枠が複勝率39.1%、馬番13番より外が25.5%。内枠は不利ですが、16頭で3着内ゼロという1枠の記録を「消す根拠」には使えません。内に入った有力馬は、包まれない競馬ができるかどうかで見ます。
⑤2着・3着は広く構える。10番人気以下は71頭で勝ち馬ゼロですが、2着・3着には10年で4回飛び込んでいます。頭は堅く、ヒモは荒れるというのがこのレースの形です。3連系の馬券では下位人気を1〜2頭は押さえておきたいところです。
補足データ:詳細傾向と注目ポイント
ルメール騎手が8回騎乗して5勝
京都8回の騎手別で突出しているのがルメール騎手で、8回の騎乗で5勝・3着内6回。2016年サトノダイヤモンド、2018年フィエールマン、2023年ドゥレッツァ、2024年アーバンシック、2025年エネルジコと、直近も含めて勝ち続けています。有力馬に乗る機会が多いことを差し引いても、長距離でのペース判断と仕掛けどころの正確さが数字に表れていると見てよいでしょう。
次いで武豊騎手が7回の騎乗で3着内4回。2019年ワールドプレミアで勝っているほか、3着に3回入っています。調教師では友道康夫厩舎が12頭を送り込んで3着内5回と目立ちます。ただし厩舎の数字は母数が小さく、これだけを理由に評価を動かすほどの材料にはなりません。
出走頭数は17〜18頭——ほぼ毎年フルゲート
京都8回のうち7回が18頭立てで、残る2023年だけが17頭。ほぼ毎年フルゲートで行われます。3000mという距離に対して頭数が多く、内で包まれた馬が動けなくなる場面が生まれやすい構図です。前の項で見た内枠不利・後方不利は、この頭数の多さと無関係ではありません。
一方で、フルゲートでも隊列は早い段階で決まります。1周目のスタンド前を通過するころには縦長の形になり、そこからの位置取り変更は難しくなります。「序盤でどこを取れるか」が、そのまま4角の位置につながる点は、短距離戦とはまったく違う性格です。
馬場状態は8回中6回が良馬場
京都8回の馬場は、良が6回、2017年が不良、2025年が稍重。10月下旬の京都は天候が安定しやすく、極端に時計のかかる年は多くありません。その2017年の不良馬場では、キセキ(1番人気)が勝ち、2着に10番人気クリンチャー、3着に13番人気ポポカテペトルが入って3連単559,700円という高配当になりました。
過去10年で3連単が10万円を超えたのは、この2017年と2018年(100,590円)、2025年(140,270円)の3回。残る5回は2万円前後に収まっています。極端に荒れる年と、順当に収まる年がはっきり分かれるレースだといえます。道悪になった年は波乱を警戒するのが、数字から読み取れる構えです。
勝ち馬のその後——長距離G1へつながる
菊花賞の勝ち馬は、その後の古馬長距離路線でも走り続ける傾向があります。2016年サトノダイヤモンドは同年の有馬記念を制し、2018年フィエールマンは天皇賞(春)を連覇。2020年コントレイルは三冠を達成しました。3000mをこなせたことが、そのまま一生ものの武器になるというのがこのレースの位置づけです。
裏を返せば、ここで 距離の壁にぶつかった馬は、翌年以降マイルや中距離へ路線を変えるケースが多くなります。菊花賞で凡走したこと自体は能力の否定にならず、適性が合わなかっただけという見方もできます。予想の場面では、前走の着順以上に「3000mをこなせる血統・走法か」を見る価値があります。
トライアル以外から勝った3頭
京都8回の勝ち馬8頭のうち、3頭は神戸新聞杯でもセントライト記念でもないレースから直行しています。2018年フィエールマンは新潟のラジオNIKKEI賞2着から、2023年ドゥレッツァは3勝クラスの日本海ステークス1着から、2025年エネルジコは新潟記念2着からの臨戦でした。8勝中3勝が非トライアル組という比率は、決して例外的な数字ではありません。
3着内まで広げると、この傾向はさらにはっきりします。2024年は2着ヘデントール(日本海ステークス1着)と3着アドマイヤテラ(2勝クラス1着)がどちらも非トライアル組。2020年2着アリストテレスも2勝クラスからでした。共通しているのは「前走を勝っている、あるいは僅差で負けている」ことで、格ではなく状態と距離適性で足りてしまうのがこのレースの性格です。
逆にいえば、トライアルを使ったこと自体には価値がありません。神戸新聞杯・セントライト記念で4着以下だった43頭の3着内がわずか2回にとどまる一方、条件戦を勝ってきた馬が普通に馬券に絡んでいます。出走馬のローテーションを見るときは、レース名の格よりも前走でどんな負け方・勝ち方をしたかを見るほうが実態に合います。
二桁人気で3着内に入った4頭の共通点
京都8回で10番人気以下から3着内に飛び込んだのは4頭。2017年クリンチャー(10番人気2着・4角2番手)、同年ポポカテペトル(13番人気3着・4角3番手)、2025年エキサイトバイオ(13番人気3着・4角先頭)と、3頭までが4角で3番手以内にいました。残る2018年ユーキャンスマイル(10番人気3着)だけが4角10番手からの差し切りです。
人気薄が馬券に絡むときの形が、ここまではっきりしているレースは多くありません。穴を狙うなら「前に行ける人気薄」というのが、このデータの読み方になります。追い込み脚質の人気薄に手を出しても、4角で後ろ半分にいた62頭の複勝率は4.8%にとどまります。
もうひとつの共通点が前走を勝っていることです。4頭のうち3頭(ポポカテペトル・ユーキャンスマイル・エキサイトバイオ)が前走1着。残るクリンチャーもセントライト記念9着でしたが、その前は京都新聞杯2着でした。人気はなくとも、直前に勝ち切る競馬ができている馬が穴を開けています。
阪神で行われた2年との違い
集計から外した2021年・2022年の阪神開催2回(のべ36頭)も、傾向そのものは京都と大きく変わりませんでした。3着内6頭のうち5頭までが4角6番手以内で、2021年タイトルホルダーと2022年アスクビクターモアはどちらも4角先頭。前に行った馬が止まらない構図は共通しています。
一方で違いもあります。阪神の2年は7番人気以降の24頭から3着内が1回(2022年ボルドグフーシュの2着)にとどまり、京都の8回よりさらに上位人気で決まりました。最後に急坂のある阪神内回りでは、力のない馬が位置取りだけで粘り込むことが難しかったと見られます。今年の京都は、阪神より多少は人気薄に出番がある——その程度の違いとして押さえておけば十分です。
データを見るときの注意点
本ページの集計は、2016年から2025年までのうち京都競馬場で行われた8回・のべ143頭を対象としています。2021年・2022年の阪神開催2回(のべ36頭)は、コース形態が大きく異なるため集計から外しました。過去10年結果の表には10年すべてを載せていますので、阪神開催の年には注記を付けてあります。
8回という年数は、10年分より2割少ない点に注意が必要です。枠順別に分けると1〜6枠は各16頭ずつしかなく、人気別では1番人気・2番人気・3番人気がそれぞれ8頭です。「3番人気の複勝率12.5%」は8頭中1回という意味であり、傾向として固まった数字ではありません。
一方で4角後ろ半分の62頭で0勝、神戸新聞杯4着以下の30頭で3着内1回、前走4着以下の52頭で0勝といった数字は、母数が一定あり差もはっきりしているため、判断材料として扱えます。
なお「ゼロ」という記録は、母数が30頭程度であれば偶然生じることもあります。当サイトでは母数50頭以上あり、かつ複勝率が明確に低い層でなければ「消す根拠」には使わない方針を取っています。1枠の16頭、前走10着以下の14頭といった小さな母数のゼロは、軸にしない理由にはなっても、相手から完全に外す根拠としては弱いという点を申し添えておきます。
今年の出馬表(2026年)
| 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 脚質 | 予想印 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1 | エムズビギン | 牡3 | 岩田望来 | 57 | 差し | |
| 1枠 | 2 | コンジェスタス | 牡3 | 西村淳也 | 57 | 先行 | |
| 2枠 | 3 | アウダーシア | 牡3 | 津村明秀 | 57 | 差し | |
| 2枠 | 4 | ショウナンガルフ | 牡3 | 田山旺佑 | 57 | 追込 | |
| 3枠 | 5 | ジャスティンシカゴ | 牡3 | 原優介 | 57 | 先行 | ○ |
| 3枠 | 6 | バステール | 牡3 | 川田将雅 | 57 | 追込 | |
| 4枠 | 7 | ラージアンサンブル | 牡3 | 坂井瑠星 | 57 | 差し | |
| 4枠 | 8 | ロブチェン | 牡3 | 松山弘平 | 57 | 先行 | ◎ |
| 5枠 | 9 | ゴーイントゥスカイ | 牡3 | 武豊 | 57 | 追込 | |
| 5枠 | 10 | ダノンヒストリー | 牡3 | ルメール | 57 | 先行 | △ |
| 6枠 | 11 | アスクエジンバラ | 牡3 | 岩田康誠 | 57 | 逃げ | |
| 6枠 | 12 | サノノグレーター | 牡3 | 田辺裕信 | 57 | 追込 | |
| 7枠 | 13 | キンググローリー | 牡3 | 丹内祐次 | 57 | 先行 | △ |
| 7枠 | 14 | マジョレルブルー | 牡3 | 戸崎圭太 | 57 | 先行 | △ |
| 7枠 | 15 | シートゥサミット | 牡3 | 酒井学 | 57 | 先行 | ▲ |
| 8枠 | 16 | ショウナンハヤナミ | 牡3 | 池添謙一 | 57 | 先行 | |
| 8枠 | 17 | チャリングクロス | 牡3 | 石川裕紀 | 57 | 差し | |
| 8枠 | 18 | ナリタエスペランサ | 牡3 | 北村友一 | 57 | 逃げ |
※脚質は各馬の直近5走における4コーナー通過位置の最頻値から判定(中団は差し・後方は追込に変換)。2026年も馬齢戦で、18頭すべて牡馬の57kgです。実績による加増はありません。
今年の印(2026年)
展開予想: キンググローリーとダノンヒストリーがハナを主張し、ミドルペースの流れを想定する。4角で後ろ半分にいた62頭から勝ち馬が出ていないレースのため、位置を取れる脚質を優先して評価した。
根拠: 神戸新聞杯を勝っての参戦。このレースで最も強いローテで、京都8回では該当5頭が2勝・複勝率60.0%。前走1着の54頭も4勝・複勝率22.2%と数字が揃う。脚質は先行で、4角で前半分にいられる点が大きい。京都開催の勝ち馬8頭は全員4角7番手以内だった。調教はウッドチップ3F36.5秒が全体2位タイ、1F11.1秒も上位で、坂路11本と乗り込み量も十分。
根拠: セントライト記念を勝っての参戦で、こちらも前走1着。直近5走の脚質が先行3回・逃げ2回と、前に行ける点を買う。ただしセントライト記念の勝ち馬は京都8回で5頭1勝と、神戸新聞杯組(5頭2勝)に見劣りする。3枠は16頭で1勝・複勝率6.2%と枠の数字も芳しくない。評価を一段下げて対抗に置いた。
根拠: 神戸新聞杯3着。前走2〜3着の層は37頭で4勝・複勝率27.0%と、前走1着組を上回る数字が出ている。入った7枠は複勝率39.1%で枠順別の最高。前走は4角先頭から3着に粘っており、位置取りの条件も満たす。調教もウッドチップ1F11.1秒・3F36.5秒と上位で、坂路11本を併せて消化している。
根拠: 2600mの2勝クラスを逃げ切っての参戦。距離をこなせることを前走で示している点を評価した。ルメール騎手は京都8回で5勝・3着内6回と、このレースで突出した成績を残している。中10週は京都8回で43頭3勝・複勝率20.9%と、間隔が空くこと自体は不利にならない。
根拠: 2勝クラスを勝っての参戦で前走1着。7枠は複勝率39.1%で、直近5走の脚質も先行3回・中団2回と前に行ける。友道康夫厩舎は京都8回で12頭を送り込み3着内5回と相性がよい。前走が2000mで距離が一気に1000m延びる点は未知数だが、重賞以外からの参戦は45頭1勝・複勝率13.3%で、切るほどの数字ではない。
根拠: 2500mの2勝クラスを勝っての参戦。前走で4角先頭に立って押し切っているのが最大の評価点で、このレースで最も重要な「前半分にいられるか」を満たす。7枠は複勝率39.1%。調教量が坂路3本・ウッドチップ2本と少ないのは気になるが、長距離戦で位置を取れる馬は軽視できない。